抵当権の譲渡、放棄関係

抵当権の譲渡、放棄関係で、受けとれる金額の計算で、よく忘れてしまう点を整理。
5つの概念がある。

(A)抵当権の譲渡
(B)抵当権の順位譲渡
(C)抵当権の放棄
(D)抵当権の順位放棄
(E)抵当権の順位変更

このうち、(A)譲渡と(B)順位譲渡は、譲り渡す先が、同じ不動産に既に抵当権を持っているかの違い。既に抵当権を持っている人に譲渡する場合は、順位譲渡。持っていない第三者に譲渡する場合は、譲渡。
(C)放棄と(D)順位放棄も同じ考え方。

(E)抵当権の順位変更は、少しタイプが違う感じ。

(E)抵当権の順位変更は、順位がそもそも変更になるから、変更後の順位で計算すればよい。

(A)抵当権の譲渡は、自分がもらえる金額を譲受人に譲ること。譲った結果、自分がもらえるはずだった金額が余れば、自分がもらえる。

ポイントは、抵当権の譲渡は相対効で、当事者以外には、効力を生じないこと。だから、自分が第1順位の抵当権者の場合、第1順位の抵当権でもらえる金額を基準に考える。第2順位以降の抵当権でもらえる金額に変更はない。

(C)抵当権の放棄は、放棄先に対して、優先権を失うこと。
自分がもらえるはずの金額を、自分と放棄先で、債権額の割合で分ける。
放棄の方も相対効で、そのほかの順位の抵当権でもらえる金額に変更はない。

(B)の順位譲渡は、(A)譲渡と同じ考え方。ただし、第1順位の抵当権を第3順位の抵当権に譲渡した場合、もらえるはずの金額は、第1順位と第3順位で合算して考える。
第2順位のもらえる金額には影響しない。

(D)の順位放棄は、(C)放棄と、上記(B)順位譲渡を組み合わせた同じような考え方になる。

もっと分かりやすく書けそうなものだが、思ったより、時間取ったので、今日はここまで。

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